一人ひとりが考えた
「三角形ではない理由」を全体で深める
  • 小学校2年生
  • 算数
茨城県潮来市立延方小学校 小室 紫苑
※掲載内容は、2026年2月時点のものです。
単元
三角形と四角形
単元目標
  • 既習内容を掲示したり振り返りを工夫したりすることで、学習したことを生かして学習に取り組むことができる。
  • 話し合いの中で出た意見を、全体で確認したり再考したりする場面を設定し、自分の考えを整理し確かなものとなる。
  • ペア学習や全体学習でお互いの考えを伝え合う活動を通して考えを広げ、個々の考えを集約することで、全体で共有、検討することができる。

お悩み

児童は積極的に発言しますが、全員の考えを全て聞くことはできず、せっかく進んで発言してくれているのに意見を取り上げる機会が少なくなってしまうことが気になっていました。
一人ひとりの考えや意見を集約することに時間がかかってしまいます。

また、自分の考えを言葉にして発表することに苦手意識がある児童にも、自信をもち発言できる手段がほしいと考えていました。

学習の流れ

  1. 第1時

    学習の見通しをもつ。
  2. 第2時

    「できた形は、どのようななかまに分けられるだろうか。」
    紙テープやイラスト図を基に、「辺」「頂点」「直線」といった用語を知る。
  3. 第3時

    1. 導入の発問
      形のゲームにひつような三角形はどれだろう。
        正しいと思う三角形を選ぶ。
    2. 中心発問
      正しい三角形と言えないのはどうしてだろうか。
        学習したことを基に、正しい三角形ではない理由を個人で考える。
    3. ペアで考えを伝え合い確かめ、三角形ではないと思う形と理由をトラビに入力する。
    4. トラビの回答内容を生成AIで要約し、正しくない三角形はどれかについて全体で協議する。
    5. 本時の学習のまとめをする。
  4. 第4時

    学習したことを基に、様々な形を弁別したり説明したりする。
  5. 第5時

    単元で学習したことを振り返る。

学習の様子

本単元は、三角形の特徴を正しく理解し、弁別したり進んで問題を解決しようとしたりする学習です。本単元では、様々な三角形を提示し、「三角形ではないと思うわけ」を見つけ、正しい三角形の特徴を考えていく場面でトラビを活用しました。

学級の実態として、意欲的に自分の考えを発言する児童が多くいる一方で、文章にしたり考えをまとめ、発表したりすることに苦手意識を感じる児童もいます。
そこで、自分の考えを全体で共有する場面でトラビを取り入れてみました。
文章で書き込める児童は文章で書き込み、苦手な児童はキーワードだけでも良いと伝え、トラビに入力をしました。

様々な三角形の画像を複数貼り付け、三角形ごとに設問を設定したことで、それぞれの三角形の特徴を児童が書き込むことができました。


シートの種類
単発のシート
質問文
三角形ではないわけを、教えてください。(※三角形ごとに質問を用意)
生成AI
回答者全体の意見を要約(箇条書き形式)

活用の効果

自分の気付きが反映され、自信に繋がる

学級全体で出た意見を生成AIで要約することで、全員の意見を短時間でまとめることができました。児童たちは、自分が書き込んだキーワードが反映されていることに気付き、「これ、ぼくが気付いたことだ!」「私が打ち込んだ『直線ではない』が入ってる!」など、集約された内容をのめり込むように読んでいました。

文章を書いたり言葉で伝えたりすることが苦手な児童も、短いキーワードなら自分の考えを表現できるため、進んで取り組む姿が多く見られました。自分の考えを伝える手段が増え、自分の意見が反映されていることを実感できたことで、意欲的に学習に取り組むことができていました。

従来であれば、何人かの児童のみの考えだけを聞き、それらを一つひとつ黒板に書き込む、といった流れになるので全員の考えを共有することはなく、時間もかかってしまったのではないかと思います。 しかし、今回の授業では全員の意見を集約でき、児童自身、自分が見つけた図形の特徴が反映されていることで学習への意欲や自信に繋がったと感じています。 普段手を挙げて発表することが少ない児童も、「ぼくの考えが 入ってる!直線ってぼく書いたんだよね。」と嬉しそうに話しており、自分も問題解決のために学習に取り組んでいるのだという自信をもつことができたのではないかと思います。

「気付き」を深める時間を生み出す

短時間で学級全体の考えを集計できたことにより、全体で検討する時間を十分に取ることができました。集約された「気付き」を基に「この考えは正しいのか」や、子どもたちからさらに出た疑問を話し合う時間が十分とれたため、学習を深めることに繋がったと思います。
また、誰がどのような内容を打ち込んだのかが分かるため、学習の評価や振り返りにも繋げることができました。

活用時のポイント

回答時に未習の漢字に変換してしまったり、誤字があったりすると、要約時にそのまま反映されてしまうことがあるので、全体で共有する際には丁寧に確認する必要があります。

広がる活用シーン

低学年では、音楽や学活のクラス目標などを決める際に、生成AIの要約機能を用いることができるのではないかと考えています。