- 単元
- 日常生活について調べて分かりやすく伝える
- 単元目標
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- 相手との対話において、言葉の強弱や間を意識して話すことができる。
- 目的に応じて、日常の中から話題を選び、集めた情報を整理して伝えるために必要な内容を選び出すことができる。
- 話す場面やテーマに合わせて、言葉の強弱や間を工夫し、相手に伝わりやすい話し方をすることができる。
- 自分の考えとそれに関連する理由や事例、全体と中心の関係を理解し、情報同士を関連付けて考えることができる。
- 相手に伝わりやすくするために、事例や根拠を使って、話のポイントが明確になるよう話を構成することができる。
お悩み
1グループずつ発表練習をして全員から意見をもらおうとするとかなりの時間がかかってしまっていて、授業時間内に終わらないことが度々ありました。
リハーサルをしてもただ自分たちが本番に備えて練習しているというだけで、周りから客観的に観てもらったときにどんな印象を受けて、どう改善すればよいのかまでをすべて把握して吸収することには困難を感じていました。
児童からも、自信をもって発表するために多くの意見を聴きたいという要望がありました。
学習の流れ
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第1~4時
- 聞く人にはっきり伝わる発表をするためにどうすればよいかを考え、学習の見通しをもつ。
- グループごとにアンケートを作成、集計し、発表資料を作成する。
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第5時
- 分かりやすく伝えるための発表の工夫を考える。
- 各グループが順番に発表の練習を行う。
- 発表の良かった点と改善点をトラビで入力する。
- 各グループの良かった点と改善点を生成AIで要約し、全体で共有する。
- 本番に向けて修正する。
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第6時
発表会を行って感想を伝え合い、単元の学習を振り返る。
学習の様子
今回トラビを活用したのは、アンケートの結果から発表原稿を作成し終え、発表練習をする場面です。今まで時間がかかりすぎていたアドバイスの時間が、トラビを使うことでより多くの意見を短時間で把握することができました。
児童は、普段ならば自分たちで動画を撮影して、自分のグループで良い点や改善点などを話し合ってブラッシュアップしていくことが多かったと話していました。そのため、他のグループからの意見を取り入れてさらに改善できるような機会を授業時間内に設けられればという考えで始めました。
時間がかかりすぎないよう、発表練習中に気付いたことはその場で入力するように伝え、すぐに要約結果も共有しました。また、児童に良い点や改善点の両方を記入するように伝え、それぞれのグループが結果を見たときに意欲が向上するようにしました。練習が6グループすべて終わり、全体でそれぞれの班の要約結果を共有することで、付け加えの意見なども短時間で進みました。予想以上に意見があがってくる形になりましたが、箇条書きの要約にしたことで一つ一つの文章が簡潔で分かりやすく、授業時間内にそれぞれのグループで本番に向けた修正の話し合いの時間を取ることができました。
- シートの種類
- 単発のシート
- 質問文
- 分かりやすく発表するためには、どのような工夫が必要だろうか。
- 生成AI
- 各グループの回答を要約(箇条書き形式)

活用の効果
「自分の意見を伝える」意識
トラビを使うことで、「自分の意見を必ず伝える」という意識が高まったように感じました。
積極的な児童が目立ちがちだった授業が一人一人の意見をすくい上げてくれる印象に変わり、児童一人一人が発表練習を真剣に聴いたり取り組んだりしていました。
また、児童一人一人が確実に学びに向かっているかをアプリの中で管理・把握できるという点も良かったと感じました。普段意見を言うことが苦手な児童も、トラビの中でさまざまな気付きを書いていることを確認できました。他にも、観点からずれていたり、授業に対するつまずきを抱えている児童を把握するという面でもかなり活用できました。
明確な改善点が自信につながる
生成AIの要約結果から本番に向けての発表練習に対する意欲がさらに高まり、練習のときと比較すると本番では要約結果を生かした発表ができていました。
また、児童一人一人が自分の役割を自信をもって担っていました。人前で発表するのが苦手だった児童が、「自分の発表の仕方に不安な部分があったけど、良いところも直した方がいいところもちゃんとトラビの中にみんなが伝えてくれたから本番はすごく安心して発表できました。」と話しており、気持ちの面でも大きくサポートできたことがとても効果的でした。
活用時のポイント
今回、良い点と改善点を同じ設問の中に書かせましたが、設問を分けておくと各グループが結果を見たときにより話し合いに向かいやすいと思いました。
それぞれの意見の中にも吸い上げてほしい内容がねじれて結果に表れることもあるので、そこは教師が修正を加えてあげることが必要です。
結果に頼りすぎず、自分たちの発表の本質を見失わずに本番に臨めるよう、アドバイスしながら全体共有ができるといいと思います。