試合のルールづくりを行う
- 単元
- ティーボール
- 単元目標
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- ベースボール型の行い方を理解し、ボールの打ち方や走塁の仕方、捕ったり投げたりする守り方を知ることで、簡易化されたゲームができるようにする。
- ルールを工夫したり、自己やチームの特徴に応じた作戦を選んだりするとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。
- 運動に積極的に取り組み、ルールを守り助け合って運動をしたり、 勝敗を受け入れたり、仲間の考えや取組を認めたり、場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
お悩み
ゲームのルールの設定は、特定の児童の意見しか反映できなかったり、意見の集約や是非を判断するのに多くの時間を費やしたりするため、教師が提示したルールで行うことがほとんどです。また、課題の設定やまとめを児童主導で行うことが難しいと感じていました。児童の考えを共有する際は、他社アプリの回答共有機能を用いることが多いですが、全体の意見を瞬時に知ることができませんでした。
今回、トラビの生成AIの機能を活用することで、瞬時に全体の考えをまとめ、時間短縮につなげたいと考えました。「分類」と「要約」を選択できるため、内容に応じて使い分けます。「分類」は、主に課題やできるようになったことを共有する際に用います。また、ゲームのルールをつくる際に、分類されたいくつかのルールから、児童主体で精選できるようにしました。「要約」は、主に本時の目当てやまとめをつくる際に用いました。
学習の流れ
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第1時
オリエンテーションを行う。(キャッチボール、簡易なゲーム) -
第2~6時
- 前時の課題を振り返り、今日の目当てをクラス全体で共有する。
- 本時の活動を行う。(パスゲーム、ジャストミートゲーム、ベースランニング競争、作戦タイム、簡単なゲーム)
- トラビを使って振り返りを入力する。(できるようになったこと・自分の課題)
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生成AIで要約・分類する
- できるようになったことについて:生成AIで要約してクラス全体のまとめとする。
- 自分の課題について:生成AIで分類して共有する。
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第7~8時
- ゲームのルールを考えて、トラビで回答する。
- 生成AIで分類し、分析結果を見てリーグ戦のルールをつくる。
- リーグ戦を行う。
学習の様子
授業はほとんど外で行ったため、毎時間トラビを活用することが難しいところもありましたが、体育館で行った際は、思考を重視し、目当てやまとめ、課題を共有する際にトラビを活用しました。
授業の導入では、前時の課題を振り返り、本時は何を学習するか考えさせ、今日の目当てをトラビで提出しました。その後、生成AIで一人一人の考えを短い文章に要約し、クラス全体の目当てとしました。児童の考えがバラバラだと、生成AIで要約した目当ての内容が広くなり過ぎてしまうため、ある程度は教師が想定した目当てに近づくよう導く必要があると感じました。
授業の終盤では振り返りを行い、できるようになったことや自分の課題を考えさせ、トラビで提出しました。課題に関する設問は生成AIで分類して共有し、できるようになったことに関する設問は短い文章で要約し、クラス全体のまとめとしました。
ゲームのルールをつくる際にも、トラビの生成AIの機能を活用しました。一人一人が考えたルールが箇条書きで分類されるので非常に分かりやすく、少しの助言だけで、児童主体でリーグ戦のルールをつくることができました。
- シートの種類
- 継続的な記録のシート
- 質問文
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第2~6時のシート
- 自分の良かったところやがんばったことを書きましょう。
- うまくいかなかったことやがんばりたいことを書きましょう。
- 考えた作戦を書きましょう。
第7~8時のシート- 得点をたくさん取るために、どんな作戦が立てられますか。
- 得点を防ぐために、どんな作戦が立てられますか。
- 自分が考えたティーボールのルールを教えてください。
- 生成AI
- 学級全員の回答を分類、要約(文章形式)
活用の効果
運動量を確保しつつ、児童自身が考える時間も大事に
トラビの生成AIの機能により、瞬時にクラス全体の考えをまとめることができるので、今まで費やしていた目当ての設定、まとめ、振り返りの時間が短縮され、児童の運動量を増やすことができました。
今まで教師主導で設定していた本時の目当て・まとめ等が、児童の考えのみで構築された文になるため、「自分が書いたことと同じだ」という発言が多く聞かれ、児童の納得感が深まったと感じました。これにより、児童の意欲向上につながると思いました。