振り返りによる課題の認識と
声掛けで伸ばす体育授業
  • 小学校5年生
  • 体育
茨城県潮来市 I.Y / Y.H / T.A
※掲載内容は、2025年3月時点のものです。
単元
ボール運動領域「ラインバスケットボール」
単元目標
  • バスケットボールの基本動作(ドリブル、パス、シュート)を習得できるようにする。
  • ゲームを通して、チームで協力してプレイする楽しさを味わうことができるようにする。
  • ルールを守り、互いに声を掛け合いながらプレイができるようにする。
  • バスケットボールに必要な体力要素を理解し、運動を継続する意欲をもつことができるようにする。

お悩み

振り返りをまとめて、次時の課題までもっていく時間がないことや、児童への還元が難しいことです。児童から「○○できるようになったよ」「○○が課題でできないな」という発言やつぶやきに対してすべて確認することが難しいと感じていました。また、クラス全体での理解度や思考等の見取りも難しいと思っていました。

今までも学習カードやICTを使ったカードの活用をしてきましたが、今回トラビの振り返り機能を使うことにより、瞬時に振り返りが見られたり、まとめに関しても、生成AIによる分析をして授業時間内に次時の課題へとつなげたりすることができると考えました。
個人の振り返りも継続的な記録として教師側でみることができ、成長の変化も分かりやすいと思い、今回の実践を行いました。

学習の流れ

  1. 準備

    トラビで、振り返りシートを繰り返し配付する曜日・日時を設定する。
  2. 第1時

    オリエンテーションを行う。(ボール慣れ、簡易なゲーム)
  3. 第2~6時

    1. 前時の課題を振り返る。
    2. 本時の活動を行う。(パスゲームシュート、シュートゲーム、作戦タイム、ハーフコートゲーム)
    3. トラビを使って振り返りを行う。
    4. 生成AIで要約して全体で共有する。
    5. 個人の振り返りの内容をトラビで確認し、教師から助言を行う。
  4. 第7~8時

    リーグ戦を行う。

学習の様子

シートを配付する曜日や時間を設定し、毎時間すぐに児童たちが取り組めるようにしました。
要約結果に関しては、振り返りや課題に活用しました。

また、振り返りで出たことに関して、個々でも児童に声掛けをして助言をすることができました。
特に、継続的な記録により、児童の成長具合や理解度を確かめられるため、授業外でも助言や言葉かけができるようになりました。

最初は技能面のめあてや学習のため、振り返りの内容はシュートやパスが中心でしたが、授業が進むにつれて、作戦や守備の部分の課題が見えてきて次に活かすことができていました。


シートの種類
継続的な記録のシート
質問文
自分の良かったところやがんばったことを書きましょう。
生成AI
学級全員の回答を要約(箇条書き形式)

活用の効果

児童が課題を見つけ、助言をもらい、次の学習へ進める

アプリを使わなかったときは、授業のまとめを考え出すことに時間がかかりましたが、児童の振り返りからまとめ、次時への課題とスムーズに行えました。教科の学びとして、実際に教師側で考えていた課題と児童の考えから出た課題が合うこともあれば、児童たち自ら課題を見つけて学習を進め、教師はファシリテーターとして、授業を進行していくこともできました。

児童たちも課題や分からないことに関して、教師からすぐに助言をしてもらうことや、成長を今までより称賛してもらう機会が増えた様子でした。短い授業の中で移動、準備、片付けがある中、今までは振り返りやまとめをする機会をとると運動量が減少してしまうことがありましたが、運動量の確保が少し増加したので効果はあったと考えます。